全国の自治体等で人材マネジメントの研修講師をさせて頂いています。
そこで、時折こんな質問に出会います。
「バーナードやサイモンの理論では・・・、さっきの説明はそれと矛盾する・・・」
黎明期の経営学をベースとした研修が長年その自治体で実施され、それをしっかりと学んだ方々がこのような質問をされます。しかし、次のことに注意が必要です。
・バーナード、サイモン、ドラッガー、チャンドラー等経営学等の巨匠から学ぶことは重要だが、その知識だけで現在の行政組織を考えるのは危険で無理
・経営学は他の社会科学と比較しても、体系的でなく、連続性が無いといった特徴がある。(様々な分野の理論が経営学という括りで乱立している)
・バーナード、サイモン等は教養としては重要だが、あまりに古く、現代のマネジメント理論の中心的存在ではない。(分かりにくい例で恐縮ですが、現在の政治をマキャベリ、ホッブス、ロック、ルソーだけで語るようなもの)
・経営学史の知識だけでは、マネジメントを語れないし、語るべきではありません。(私もドラッガーは大好きですが、米国のMBAでドラッガーが扱われていないというのは有名な話)
・マネジメントは訓詁学ではなく、実践学なはず。(研究者を目指すなら別ですが)
・語学を学んだら、その言葉はもはや使われていない「古語」だったということがないよう注意が必要です。