首長は雇用主であり雇用者で無い為、パワハラかどうか判断する基準となる法令上の定義が存在しません。
パワハラ防止を雇用主に求める規定がある労働施策総合推進法は地方自治体、つまり首長にも適用されますが、そこで規定されているのは首長に対し雇用主としてパワハラの無い環境で職員を働かさなければならないというもので、結果的にそのパワハラの定義は「職員」に適用されるパワハラの定義になります。その結果、首長がパワハラしたかどうか判断する際の基準には直接使えません。
それでは、首長のパワハラ認定の判断は何を基準とすべきでしょうか。
職員には労働施策総合推進法が定めるパワハラの定義が法令上適用されます。しかし公務員ということで人事院規則が定めるそれより広い定義を部内規定で置いているのが一般的です。
仮に首長がパワハラをしたかどうかを労働施策縫合推進法が定めるパワハラの定義に従って判断すると、言動の一部が「職員がやったらパワハラだけど首長がやったらパワハラでは無い」ということになってしまいます。
首長も特別職とはいえ公務員。人事院規則が定めるパワハラの定義(職員に適用される定義)で判断すべきと考えます。