最近出版された自治体のパワハラ・カスハラ対策の本を早速購入して読んだところ、間違いだらけで驚愕しました。
とても網羅出来ませんが、例えば
パワハラに関して「労働施策総合推進法が国家公務員にも適用される」との記述がありがあります。しかしこれは完全な間違いです。
労働施策総合推進法においてパワハラが規定されているのは、同法第30条の2及び第30条の3です。しかしこの二つの条は、同法第38条の2で国家公務員には適用しないことが規定されています。
「人事院規則10−16が労働施策総合推進法の範囲内で定められた」との記述もあるのですが、そもそも人事院規則の殆どが、一般労働法令が一部適用されない国家公務員に対して、当該一般労働法令の主旨を踏まえつつ、同時に「国家公務員の職務の特殊性を踏まえて」人事院が独自に定めるものです。(だからこそ、人事院にその様な準立法機能を与えたのです)
またこの著者は、労働施策総合推進法が定めるパワハラの定義と人事院規則が定めるパワハラの定義も「意味するところは同じ」とも記述しています。しかしこの様に一般労働法と人事院規則の関係性を理解すると、セクハラについて「致命的な間違い」を犯してしまいます。何故なら、人事院規則が定めるセクハラの定義は男女雇用機会均等法が定めるセクハラの定義と「意図的に違える為」に、国家公務員には男女雇用機会均等法のセクハラ関係規定を適用除外した上で全く異なる定義(男女雇用機会均等法より広い定義)を人事院規則で意図的に定めたからです。(議論の余地はありません。男女雇用機会均等法上に同法のセクハラ関係規定を国家公務員には適用しない規定が存在します。なお、当時の担当者は私です)
ハラスメントは人権侵害行為であり、時に人の命を危うくさせます。職員の命を守る為正しく防止策を講じるには正しい法律知識が必要です。自治体の人事担当者の皆様には、自ら法令をチェックして、正しい知識を持った上で対策を講じて頂きたいと思います。